世界はどのくらい広いのか

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 毎日、新しいことに出会う。
 テレビでもネットでも、今まで全然知らなかったアートや音楽に出会う。今まで生きてきて、大変にたくさんのものを見て聴いてきたつもりだけれど、今更ながら、世の中はとてつもなく広いのである。

 毎日、人は生まれ、そして世界中で音楽もアートも生まれ続ける。
 日本国内ですら、最近初めて知った出版社がある。素晴らしい書籍の量に驚く以上に、そこの出版物を利用する業界では誰でも知っている有名な会社だった事にさらに驚いた。なんで今まで知らなかったの。
 それはPIE BOOKSのこと。

 そのように世界は広い。
 本当に果てしなく。
 ひとりの人間がどんなに頑張っても、好きなジャンルですら、全部を見ることはできない。だから、多くをカヴァーしようとすると、不全感と不安感にさいなまれて、たまらなくなる。
 適当にしなくては。

 いつも自分を中央に置いて、周囲を見渡し、これは好き、これは大事、これは嫌い、これは要らない...と果てしない選別作業をしている。
 それなのに好きなものや感心するものは、そんなに多くない。
 こちらの感受性が鈍いのか、世の中には傑作は少ないのか。

 仲良しのカレー屋さんに行ったとき、そこで当時働いていたデザイナーのヒロシ君が自分の趣味で並べてあった絵本があった。カレーを待つ間に読んだ「小さな小さな王様」という一冊に感動した。
 どこかで手に入れたいと思っていたら、この連休に銀座の松屋でその画家、ミヒャエル・ゾーヴァさんの原画展をやるというので、わぉ!と叫んで休みを取った。

 また、休みの日にぼーっとテレビをみていたら、フランスには、蒼山日菜さんという、切り絵のすごい作家がいると知った。
 その方の作品は、繊細すぎて私には痛い感じが強いが、でも、デザインも技術も精神性も、本当に素晴らしい。

 毎日、色々なアートに出会う。
 そして、私はピアノの練習を始めた。ジャズ・コードを身につけたいと思っているのだ。とりつきは最悪で、まさに遅々として進まないが、時間を経るにつれ、少しずつシナプスがそれ用にできあがりつつある気配はある。

 そのように、世界は広く、作品に満ちていて、私にはまだまだいくらでも冒険の先がある。
 未知が多いと気づくのは、幸福なことである。
 そして、冒険に出かけようと思い立つのは、喜ばしい日である。

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このページは、kyokotadaが2009年5月 5日 18:17に書いたブログ記事です。

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