中学高校からアート関連好きで、暇さえあれば本を読んでいるか、歌を歌っていた。
「わたし、どんな大人になるのだろうか...」
とぼんやり考えるとき、何か好きなことがひとつでもできていればラッキーだ、と思った。
大学を出ると、しかし、人生設計というものはシビアだった。地元に帰るか否か、就職するか否か、結婚するか否か、選択肢はあみだくじのように次から次から現れた。
その都度「勘」で生きてきた。歌手をやってみて、自堕落で世間が狭くなりそうな自分に戦き、結婚して子供を作るとその責任の重さに戦き、生活の肉体的なしんどさに驚き、知らなかった社会の広さに感心し、やりたいことの多さと気力体力のアンバランスに苦労した。
ただもう、目の前に現れることを必死にこなしてきただけなのだが、気づくと、子どもの頃夢見たより以上、当時には想像もつかなかったたくさんの仕事をしている。
いつの間にか、気づかないうちに、周囲は素晴らしく豊かになった。
この魔法のような出来事を、私は誰に感謝すればよいのだろう。
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