よく眠れない日があって、整体の先生に体調の影響を訊いてみた。
秋は、感受性の高まる時期だそうだ。なぜかというと、副交感神経の働きが増すからで、連れて身体も内向きになる。確かに、汗をかくために精一杯毛穴を開いていた夏に較べ、身体は熱を逃がすまいと防衛的になってくる。
感受性が高まると、神経が過敏になり、秋にはそれが、春の眠たくなるようなだるい感じではなく、鋭敏な方に向くのだそうだ。
「眠れなくて夜中に包丁を研ぎながら、ヒヒヒ、と笑うのが秋さ」
と先生は言うのだが...。
教室の発表会を企画したのは、5月だった。
内容を考え案内を作って参加を募り練習を重ねて、ついに、来週の月曜日、本番を迎える。
異常に暑かった夏の間も、生徒さんたち、意欲的にレッスンに取り組んでくれた。合唱団も含めて、延べ38名の参加。ソロは17名で、うち15名がバンドで歌う。
曲決め、楽譜作り、リハーサル、会場との音響、照明の打合せ、招待の発送と進んで、今日、やっとひと息ついた。ここまで、スムーズに運ぶか否か、諸処神経を使った。とにかく、本番では楽譜の出来が、進行を左右する。
はじめは、えーっ、ホールですか、バンドですか、と尻込みがちだった生徒たちも、みるみる力漲り、張り切ってくれたのは何より。やはり励みは大切だ。
今回の発表会は、私の復帰10周年記念も兼ねている。
10年前、音楽界に復帰する気などまったくなかった私を引っ張り出したのはご近所の皆さんだった。
リサイタルを企画し、無理矢理ステージに上げてくれた。
その同じホールで、今回の発表会を開く。
10年の間、とても沢山の仕事をした。
その御礼と、ご報告も兼ねて、充実した会になることを祈っている。