職業病とまでは言わないが、仕事に影響されたクセ、というものがある。
私の場合は、ライターとして読んでいる本や新聞で役に立ちそうな情報をチェックするということがある。
新聞は切り抜き、本には付箋をつける。
娘が買ってきたananをめくっていたら、広告ページで手が止まった。
ビジネススーツを着た美しい外国人女性が、洗面所にエイやっという感じで片足を突っ込んでいる。
何事かといえば、足が匂わないように洗っているのだ。
足が臭くなるのは、何もおじさんばかりではない。
キャリア・ウーマンだって、足、臭くなるんですぞ。
長女は、この春から会社勤め。
わが家系始まって以来の民間の会社員である。
私の家庭は、みんな歯医者、医者。
夫の家庭は教員か音楽家。
自営と公務員しかいない。
それらの悪しき部分をたっぷりと見てしまった長女は、全員を反面教師としてしまったのか、お堅い四年制の女子大を優秀な成績、及びほとんど皆勤賞で卒業して、民間の堅い会社に就職した。
すごい選択。
そして毎日、朝7時というと弁当をもって会社に行く。
その彼女が言うには、外回りの営業をするためには、思いがけない部分に経費がかさむ。曰く、お口の臭い消し、汗脇パッド、服と靴の消臭剤、鎮痛剤に胃薬、などなど、テレビで日々コマーシャルの流れる物品が「まったく、その通りでした」という感じで必要であるらしい。
自由業や自営ばかりだった家族からすると、ほとんど縁のないものばかり。
でも、高温多湿の東京でスーツにパンプス、日々、電車に乗り継ぎ、歩き続け、汗にまみれて働く女性たちは皆、足のマメ、靴擦れ、汗、わきが、化粧くずれに口臭と戦いながら頑張っているのだ。
その情報を、「ほーー」と聴きながら早朝に弁当を作るぐらいしかできない私としては、足の臭いを無くします!!と謳って、キャリアウーマンに無理な足上げ姿勢をさせたコマーシャルが、身近なものと映ったのだった。
反射的に付箋を探しました。
付箋つけて娘に見せようとしたのでした。
でもね、変だよね。
見せてどーするんだ?
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