笑いたくなる

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 新しい日常を、日々、紡ぎたい。
 あらかじめ定められた仕事をこなして日を送るのではなく、その日にすべきことを、毎日、毎度、考え出す、創り出す。

   去年は、とてもたくさんのことを始めた。
 でも、それらのことが無事に回転し始めた後で、私は今、少し退屈している。
 新しいことを始めるにあたって、面倒くさいとか、大変とかは少しも思わなかった。たぶん、忙しい、と感じたこともない。
 いつも、ただ面白く、楽しく、わくわくしていた。
 ところが、出来上がってみると、それらはどれもあらかじめ頭の中にあり、分かっていたもの・ことだから、達成感よりも既視感が強く先に立った。
 出来上がってみたら、普通のこと。
 当然ながら、その後に訪れた渇望は

「見たことのないもの、私の空想を超えるものに出会いたい」

 わたしは、もの凄くびっくりしたいし、爆発的に開放されて大笑いしたいし、ヘトヘトになるまで体力を使い果たしたい。

 ライブでは、たまにその感じがある。
 曲がどんな風に展開するのか、見えない時。
 あらかじめ、優れたアレンジがあって、どのような雰囲気の曲なのかが知れ渡っている曲でも、いくつかのコードをカットしたり、付け足したり、変えたりすると、別の様相が現れ、思いがけない方向に展開することがある。
 想像もしなかった場所で、笑いたくなる何かが湧き出ることがある。
 その瞬間をもたらすものは無数の偶然。
 一人残らずみんなが自由で、自分を掛け値なく表すことのできるほどの技量があって、何より音楽を面白がろうとしているとき。
 そんな時、突然のように、何だか素敵に快楽的な音が沸き立つ。
 人間を超えた、別の次元にあるものが、ひょっこりと起き上がるみたいに。
 「わぁー、出た~」
 私は、笑いたくなる。
 とても。
 私たちってとても素敵だ!!と、笑って、幸せになってしまう。

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このブログ記事について

このページは、kyokotadaが2008年6月 4日 20:19に書いたブログ記事です。

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