今日は湯豆腐にしよう

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 スタジオができて以来、本当に忙しかった。2年間、あまり休みもなく、毎日長い時間働いてきた。
 しかし、それでも元気である。会社は、色々あれども、仲間と一緒に働くので、フリーでいたときよりよほど楽だ。
 フリーでいたときは、一瞬一秒も無駄にしたくないと思っていた。自分の動きようで全てが決まるのがフリーランスの働き方だ。
だから、一瞬も気が抜けない。それと比べると、会社勤めはそんなに突き詰めなくても大丈夫なのだ。仲間がいるから、誰かが、誰かの代わりをしたり、穴埋めをしてくれる。

 色々な人がいる、というのは良いことだ。それぞれ別のことができて、色々なことに気がつく。

 そういう気分に馴れてきて、早めに家に帰るのも楽しくなってきた。
 家に帰るのは、たいていが料理をするため。
 料理といっても、子育て中のようにたくさんのものは作らない。
 今は、湯豆腐なんかが良い。

 田無には、豆腐屋が色々ある。
 旧青梅街道と駅の近く、そして帰り道の途中...。
 そのうちのどこの豆腐を買って帰ろうかな、と考える。
 今日は、湯豆腐にしよう、と決めたとする。
 3つの店の豆腐の味は、それぞれ別の個性があって、その日の気分で選ぶことができる。堅め、柔らかめ、濃い味、あっさり味。
 その上で、薬味を変えると楽しみ倍増だ。
 日によって、生醤油、出汁割り、ポン酢。
 そこに、すだちや刻み柚子、大根おろし、かんずり、柚子こしょう、刻みネギ、おかか、おろしショウガ、焼き海苔などを自在に加味しながら、食べる。
 職住接近、田無に住んでいると、こういう贅沢ができる。

 豆腐は豆腐屋で買いたい。
 パンはパン屋で買いたい。
 しかも、その日の気分でいくつかの店を回りつつ。
 最近は、海苔やお茶、ハム・ソーセージも専門店で買う。
 ゆっくり考えて、ゆっくり見て選ぶ。

 本当に時間がなかった頃は、宅配の生協一本槍。
 あるいは、閉店間際のスーパーに駆け込んでいた。

 ゆっくり考えて、ゆっくり見て選ぶ。
 あちこち、町の中をうろうろしながら。
 今では、それが何でもなくできる。
 他の人に言えば、「そんなの普通でしょ」と笑われそうだが、私には生涯訪れないかもと諦めて、期待もしなかった時間。
 まるで、休暇をもらったみたいな帰り道。 

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このページは、kyokotadaが2008年12月22日 21:44に書いたブログ記事です。

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