本業

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 映画監督には、何年も映画を撮らない人がいる。

 私は、そういう人を見て、それを本業というのだろうか...と感じた。

 しかし、現在の私は、本業が何なのか、全然分からない状態になっている。

 何が、本業なのだろうか。

 

 歌手だとすれば、それは月に12回しかライブをしない歌手。それも、ライブのギャラがあまりに安いので、ついミュージシャンに全額あげてしまう。

 歌の先生、といっても、それほど大々的に生徒募集はしていない。来てくれる人には教える、というスタンス。そういう私のラフさが災いしてか、平気で前日や当日にキャンセルする生徒、グループ指導を休む生徒が含まれる。

 音楽教室も、「何か仕事ないかなぁ」といっていたミュージシャンに、習いたい人がいるよ、と声をかけて、募集チラシを作ってあげる。

 プロデュース業は、やろうと思ってやったわけではなく、レコーディングをしたい人、リリースしたい人を世話しているうちに何となくそういうことになった。スタッフの鴨下嬢が、メジャー級のデザインや広報をするお陰で、女子2人で細々やっているレーベルと思われないことが多く、分不相応な宣伝費の営業を受けることがたびたびある。

 実体は、町の煙草屋程度の売り上げではないかと思うのだ。

 企画に至っては、「町で音楽祭をしたい」、「フリーペーパーを作りたい」、あるいは、「このような本を出版したい」、「何か音楽の楽しい本を考えていただきたい」などと頼まれるうちに、色々なことになっている。

 そして現在ついに、

「わたしはいったい何なんだ?」と、変な気持ちになっている。

 

 ここ一週間は、アルバム制作をする方の家に、録音機材を持ち込んでのレコーディングに、ずっと立ち会っている。

 どのテイクが良いとか、上手くできない部分をどうしようかとか、疲れたけど頑張りましょうとか、そろそろおやつにしようかとか...。

 レコーディングは、いつも楽しい。

 人様のことでも、自分のことでも。

 

 しかし、もういいかげん、自分のことをしなくてはならない、という気がする。できないのは、親切すぎるから、というよりは自分を大切にしないからだ、と思えてきた。

 今、歌が良い感じだ、と自分でも思うので、1011日に生徒発表会をしたら、その後は、自分の制作に充分な時間を宛てようと思っている。

 この生徒発表会もものすごい大変。

 全員のアレンジ譜を作って、ミュージシャンをブッキングし、リハーサルして、本番の仕込みである。

 また多分持ち出しになる。

 それでも生徒の皆さんから頂く参加費は、「結構高くない?」くらいに思われているに違いないので、報われない感が強い。

 

 疲れて呆けようとしても、「アルバム作りたいなー」というミュージシャンが次々に現れるので、その誘惑も心配だ。

 だって、まだまだ、レコーディングしてみたい良いミュージシャンがたくさんいる。

 コンサートやイベントの企画なんかも、「君たち、そんなんじゃ宝の持ち腐れよ」と感じて考えてあげちゃうアイディアなどがあるので、またお節介をやってしまいそうな気がする。

 

 しかし、このままでは、5年後になっても、

「わたしはいったい何なんだ...」

と呟きながら、呆然と突っ立っているに違いない。

 

 予定に優先順位をしっかりつけないといけません。

 でないと、人の世話ばかりして人生が終わってしまう!!

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このページは、kyokotadaが2010年7月29日 12:46に書いたブログ記事です。

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