スタッフ鴨下嬢のデザイン部屋は、いつも玄関ドアを開け放している。
毎日暑いのだが、クーラーに当たり続けると冷えるので、風を入れようとして開けているようだ。
その部屋には、従って、ヤブ蚊が入る。
ところが鴨下は、その部屋に何時間居ても、絶対血を吸われない。
私はと言えば、その部屋に入るなり、蚊たちが「わっ」とばかりに寄ってきて、わずか数秒で数カ所刺される。
今日は、ちょっと電話をしている間に、6カ所吸われた。
近くの藪から出てくる、黒い色をしたヤブ蚊なのでひどく腫れる。
刺されてすぐは、痛いほどだ。
消毒薬が良く効くように思うので、噴射する。
赤みは消えるが、皮膚が島のようにぼこっと出っ張っている。
なぜ、蚊に吸われる人と、吸われない人があるのだろうか。
香水をつけると、いっそう酷く刺されるような気がするが、何か関係はあるのだろうか。
私が部屋に入ると、蚊たちは、旨そうな匂いにやられてしまうのかも知れない。それは、香水の匂いなのか、私の体臭なのか、よく分からない。
そして、より不思議なことは、蚊にとって、不味くて吸いたくない血もあるらしいことである。
吸われない鴨下はB型である。
吸われすぎる私はO型である。
ABO型と関係なく、体質か何かの理由で不味すぎる血があるとする。
いったい、その血であることは、喜ばしいことなのだろうか。
明日、鴨下に訊いてみよう。
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