ZoolooZ 第6曲目

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本日は、ZoolooZ  第6曲目

「Club 4th」  松下誠 作・編曲


四番目のクラブって何なんだろ。

このタイトルの意図は?

と考えているうちに思いついた。

しかし、私まだまだ文章が下手だ。

修行が足りん(泣)


6.Club 4 th

 

秘密結社というものが、誰彼の好奇心をくすぐることは知っている。

何かとてつもない工作をしていそうだから。

行動の目的が奇異な領域にあるから。

その上に、巨額の富がからんでいるとすれば...。

 

私の好奇心は、「秘密」と「結社」という、ふたつの単語に、いつも抗いようもなく掻き立てられる。

そもそも、どのような人物がどのような必要を感じて結社を立ち上げようとしたのか。

そして、立ち上げの際に声をかけるべき人物を、どうセレクトしたのか。

セレクトの基準はどういったものだったのか、何人のメンバーがいるのか。

メンバーの結束を保つために示される禁忌はどのようなものか。

 

結社の存続条件として、セレクトされた人々は、決して起案者のオファーを断らないという確証が必要である。

 

選ばれし特別な人物たち。

それほどの信頼関係が現実にあり得るとして、もちろん、それすらただの仮定だと前置いて心を宥めてみたとしても、次には、セレクトされた人々が、その事実に対して「さもありなん、自分ほどの人物ならば当然のオファーである」と感じただろうという点に空想が差しかかると、必然的に嫌な気分になる。

そこまで信頼される人間関係また利害関係があるらしいという点に、人々の嫉妬心は否応なく刺激されるのだ。

己に高い価値があると確信している人物たち。

そんな奴らとは、とてもとても、和やかな友情関係など結べそうにない。

つまり、結社の起案者からオファーを受ける人々に至るまで、最早自分の周囲にいる平凡なお人好したちではない、という結論になる。

その点で、ますます人でなし集団じみる「秘密結社」。

それでも存在すると信じていたい「秘密結社」。

謎の組織「秘密結社」の成立は、そもそも可能なのだろうか。

誘われた人物が、そのオファーをバカげていると感じるか、何の得もないと考えたとしよう。

そもそも人でなしであるはずのその人物の口からは、「賛同できかねる」との返答をする端から、胡散臭さを嗅ぎとったために傷ついたプライドを餌にして膨れあがった意趣返し、嘲笑や哄笑が盛大に漏れ出すに違いなく、あれよという間に起案者の志は、タブロイド紙のネタよりさらに低俗な、ゴシップ領域に貶められるに相違ないのだ。

 

さて、以上のような困難なシミュレーションをものともせず、ここにひとつの秘密結社が、奇跡のように存在する。

名称を「第四倶楽部」といい、メンバーは基本的に4人のみ。

基本的に、と言わなくてはならないのは、その他に常時34名ほどの人物がこの結社を出入りしているからで、こちらの成員は正式メンバーというより、結社の行う儀式に対応して仕事をする実務班と言うのが正確だ。

この倶楽部の特徴として、4人のメンバーにはその目的及び成り立ちの経緯が「てんで解っていない」ことが挙げられる。

早く言えば、メンバーは結社を、「何のための集まりなのか知らない」ということである。

メンバー各自には、この組織の存在を忘れかけた頃に限って電話がかかってくる。各自の都合を訊ねる電話だ。

しばらくすると、決定した会合の日程が告げられる。

集会場所は、地下の一室。

広大な部屋には、ハイ・スペックなパーソナル・コンピュータ、大判出力可能なプリンター、各種画材、手芸用品、楽器多種、レコーディングと映像制作のシステム、書道道具、和服他の衣裳各種など、これまでメンバーによって要望された数々の制作環境が整えられている。

 

メンバーには、集合するとまず適温のお茶が振る舞われ、次に丼物が供される。カツ丼の時もあれば、天丼の時もある。希に海鮮丼。

それを速やかに食すことが求められる。

食べ終わると、一枚の紙が配られる。

今回のお題「○○○」。

各自は、その紙に書かれたテーマに沿ってアート作品を提供しなくてはならない。音楽、絵画、彫刻、舞踊、文学、哲学何でも構わない。

テーマは毎回必ず変わる。季節ものだったり、時事ネタだったり。

制作にかける制限時間は6時間と定められていて、その間は手洗い以外、部屋から出ることはできない。

メンバー各自は、精魂込めたりサボったりしながらテーマに沿った作品を制作し、それを地下の一室に残したまま、6時間後に去って行く。希望があれば、次回に同じ作品の制作を続行しても構わないが、前提としては、6時間以内に完成できる「アイディア」が尊重される。

 

秘密結社「第四倶楽部」は、すでに数十年、この方法で作品を作り続けてきた。

その全ては、現在も地下の倉庫に厳重に保管されている。

未だ人目に触れたことのない作品の質、及び内容に関しては、「秘密結社」なので秘密のままだ。

倉庫の鍵をもつ唯一の人物、謎の首謀者の情報に関しては...また、いずれお知らせしたい。

 

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このページは、kyokotadaが2011年5月20日 12:39に書いたブログ記事です。

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