年末になると決まって
「早いわねぇ、一年なんてアッという間だわ」
という声が聞こえてくる。
ところが、私にとっては少しも早くなかった。
レッスン、ライブ、ライティング。
2月にはLargoボーカル教室の初めての発表会をした。
自分のライブは、数えてみたらば36回。
セッションも入れると40回近い。
自分で企画し、選曲し、メンバーを決めるというライブも初めてやってみた。
全体的には、仕事のウェイトが、いつの間にか執筆から歌手としての活動にシフトしていた。
そして心は、盛んにライブをやっていた20代後半とつながっている。
あの頃、楽しいことばかりではなかったのだが、やはり、歌うことは私にぴったりらしく、最近は心も体もうきうきしている。
歌っていない間は、思い返すと何年も穴蔵の中にいるみたいに暗くて辛い日々だった。家事とか事務仕事は、できなくはないけれど、私には不向きみたいだ。
何もかも、平常心でやっているように感じていたが、今の楽さと較べると、「何を好きこのんで...」と絶句してしまう。
けれども、せっせとそれらと取り組んだ数年間に、「私の歌」というワインが熟成した。暗い穴蔵の底で、じっと自分と向き合った時間が、私の歌をちょっと成長させてくれたらしいのだ。
歌を歌うと、私の心は愛でいっぱいになる。
面白いとか楽しいというより、満ちる。
来年は、今年より多くの人に歌を聴いてもらえるといいな。
考えすぎないように、深く静かに音を感じるように。
いつも良いコンディションで、ステージに立てるように。
少なく願って、いっぱい動こう。
今年も、本当に実り多い良い年でした。
皆様、たくさんの愛をありがとうございました。
私からも、愛をいっぱいお届けします。