ピアニスト  アンデルシェフスキ

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ピョートル・アンデルシェフスキ。
ハンガリーの血を引くポーランドのピアニスト。
親しいクラシックオタクの調律さんが、今一番と勧めてくれて、一昨年、サントリーホールで聴いた。
美しいピアノだ。
その頃、カーネギーホールの2枚組ライブアルバムが出たばかりだったので、コンサート後に並んで、サインしてもらった。

数ヶ月前、私のレーベルでソロピアノを出す、石井彰さんのレコーディング会場を探していて、アンデルシェフスキのコンサートを見つけた。
所沢ミューズのアークホール。
結局、石井さんのレコーディングもここに決めた。
4月半ば、人のいないホールで録音を終え、一昨日、人が入ったホールでアンデルシェフスキを聴いた。

夕方早い時間に開始されたバッハプログラム。
イギリス組曲とフランス組曲。
その美しい弱音。
どんな演奏家でも、弱音が美しいことが、私にとっての価値だ。
ペダルを全く踏まない時も、音の重なりが夢想するように空中を漂う。

人は、ここまで美しい音を出せるのだ。
その事実を眼前にして、バッハが信じた神とは、人をこの高みにまで導く存在のことなのではなかったか、と感じた。
どんな職場にあっても、俗世間の仕事をしても、バッハは神にだけは完璧な音を届けたいと熱望した。完成度は、バッハの中の神の高さに比例する。

いつか、「師とは存在ではなく機能である」という言葉を知り、以来、座右の銘にしているが、神も同様、人を高みへと導く機能として働くのだ。

美しさというものは、そこに出現しないと存在しない。
しかし、そこに存在する以前はどこにあるのか。
アーティストの体か心か、はたまた、天か。

これを考えるときいつも、私の頭に「イデア」という言葉が浮かぶ。
シナプスの発火。
肉体の錬磨。
美しい音楽。


石井彰さんのレコーディング時、ホールのステージ(只今調律中)と客席

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このページは、kyokotadaが2011年5月25日 13:57に書いたブログ記事です。

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