kyokotada: 2004年12月アーカイブ

年末になると決まって
「早いわねぇ、一年なんてアッという間だわ」
 という声が聞こえてくる。
 ところが、私にとっては少しも早くなかった。
 
 レッスン、ライブ、ライティング。
 2月にはLargoボーカル教室の初めての発表会をした。
 自分のライブは、数えてみたらば36回。
 セッションも入れると40回近い。
 自分で企画し、選曲し、メンバーを決めるというライブも初めてやってみた。

 全体的には、仕事のウェイトが、いつの間にか執筆から歌手としての活動にシフトしていた。
 そして心は、盛んにライブをやっていた20代後半とつながっている。
 あの頃、楽しいことばかりではなかったのだが、やはり、歌うことは私にぴったりらしく、最近は心も体もうきうきしている。
 歌っていない間は、思い返すと何年も穴蔵の中にいるみたいに暗くて辛い日々だった。家事とか事務仕事は、できなくはないけれど、私には不向きみたいだ。
 何もかも、平常心でやっているように感じていたが、今の楽さと較べると、「何を好きこのんで...」と絶句してしまう。
 けれども、せっせとそれらと取り組んだ数年間に、「私の歌」というワインが熟成した。暗い穴蔵の底で、じっと自分と向き合った時間が、私の歌をちょっと成長させてくれたらしいのだ。


 歌を歌うと、私の心は愛でいっぱいになる。
 面白いとか楽しいというより、満ちる。

 来年は、今年より多くの人に歌を聴いてもらえるといいな。
 考えすぎないように、深く静かに音を感じるように。
 いつも良いコンディションで、ステージに立てるように。
 少なく願って、いっぱい動こう。

 今年も、本当に実り多い良い年でした。
 皆様、たくさんの愛をありがとうございました。
 私からも、愛をいっぱいお届けします。

幸せ疲れ...

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 疲れました。
 「多幸症?」を書いて以来、まだ、気分は幸せですが、Happyでいるというのは思いの外、体力を使うものみたいです。
 何人かの方が、良かったねと、一緒に喜んでくれました。
 自分に何の得もないというのに、私の幸せを分かち合ってくださってありがとう。
 今流行の、「脳」に関して考えれば、ドーパミンが豊富に出ていた模様。
 自家製麻薬であります。
  

 普通、私の年齢だと「思秋期」とやらが来るそうです。
 それがひっくり返ったのかも知れません。
 瀬戸内寂聴さんは、更年期の時に年下の男性と駆け落ちしたとか。
 精神的にはそういう危うい時期であるのかも知れません。
 でも、駆け落ちしないで、ただにやにやしているだけというのは罪がない。
 なさ過ぎてちょっとばかし悲しいか...。

音楽体質

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 我が息子は、家に帰ってドアを開けたその瞬間、歌っている。
 MDウォークマンを伴奏にして、気分を出して歌いながら居間に入ってくるのだ。
 娘たちも、何かというと突然でかい声で歌い出すので、びっくりする。
 
 突然歌が口をついて出て来るということがある。
 心の中で歌っていたらば、何かの瞬間に感情が高ぶって本当に声に出てしまうとか。
 私も、家事をしながら突然自分が歌っていることに気づいて「おっと」と思うことがある。無意識なので、自分の声を聴いてから歌っていると知って驚くというわけ。

 つまり、いつもいつも体の中で音楽が鳴っているらしいのである。
 テレビを見ていると、歌ったことのある曲がコマーシャルで良く流れる。
 ドゥビー・ブラザース、アース・ウィンド&ファイヤー、イーグルス、エモーションズ、あるいはゴスペルの名曲などなど。
 するとすかさず一緒に歌ってしまう。
 条件反射みたいなもの。
 そして一瞬で気分が盛り上がっている。
 バカみたいだ。

 毎日、仕事を始める前にとりあえずという感じで、その日の気分のCDを選ぶ。
 小春日和だとニール・ヤングとか、寒い雨の日にはトニー・ベネットだったり。
 するともう、私はいとも簡単にその世界に没頭してしまう。
 その音が想起させる映画のシーンを思い浮かべたり、あるいは自分に関する様々なエピソードを思い返したり、ありもしないことを空想したり、それはそれは、これを作文に転換すれば小説家になれるのじゃなかろうかと思うほど。

 そして、そのうっとり感を堪能する。

 音楽体質であれば、何を置いても、音楽ができることを無上の喜びとする。
 私はずっと、歌ったり演奏したりするのが素晴らしいことだと思っていた。
 ギヤラを頂いて歌えるのだから、少々の不幸などものかは、と思っていた。 
 ところが、ある時友人にそのようなことを話したら、「他の人は人前で歌いたいなんて思ってませんよ」と返された。
 なるほど、そう言われてみればそうである。
 そんなことよりも、数学の問題を解くとか、物理の法則を理解するとか、法律の文脈を読み解くとか、そちらの方に全勢力を使いたい人も大勢いるわけだ。スポーツジムには、身体を作り上げることが大目標のインストラクターがいるのだし...。

 人には、生まれつきの体質というものがあり、それがその人の生きる道を決めるみたいだ。
 しかし、それは遺伝とか環境とはあまり関係ないらしい。
 素晴らしいミュージシャンでも、ご両親は全く音楽とは縁がないという人に結構出会う。それでも、当人はある時突然音楽にとりつかれ、寝る間も惜しんで没頭し、いつの間にかちゃんと音楽の道に進んでいたりする。
 よく考えると不思議なことである。
 脳のでき方?
 学習の成果?
 因果関係は色々あるのかも知れない。
 
 子どもの友だちの家庭にお邪魔すると、そこの家庭がどのような体質であるか幾分わかるときがある。
 大きくは、文化系か理数系かに分かれるが、書棚の本の種類、飾ってある絵の感じ、置いてある調度品の雰囲気などを通して、その家庭が何を大切にしているか、何が好きかが少し分かる。
 私の兄の家には、戦闘機やら戦車のプラモが大量にあり、おもちゃの機関銃みたいなものがあり、軍隊に関するヴィデオがあり、本棚には架空戦記物が並んでいる。どうやら戦いが好きらしい。が、本人は喧嘩もしなければ、声を荒立てることすらない眼鏡をかけた中年の歯医者である。
 体質とは、斯様に不思議なものでもある?


乱入者

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 「今日さ、突然りえちゃんが乱入してきたの」
 中学三年生の息子が鼻を膨らませて言う。
 笑いたいのをこらえているのである。
 休み時間に、学校の廊下で友だちと音楽の話しをしていたそうだ。
 そこに突然、乱入割り込みをされたらしい。
 「そしてさ、アイアン・メイデンの新曲だかについて(※後日確認したらメタリカであった)、熱く語るわけさ」
 「ほー、間違いなくそれは職員室内に友だちがいないね」
 「さあ、知らんけど...」

 りえちゃんというのは、息子の学校の英語の先生である。
 髪が長く、しかし分け目の辺は少し薄いかも(ごめん)。
 ちょっと太っていて眼鏡をかけている。
 腰に手を当てて、足を踏ん張って立ち、男子生徒などに対しては、野太い声で指示したりしている。
 乗っている車は、赤だか黄色だかのスポーツカーだという。
 彼女は一体何ものなのだろうか。
 中学校の英語の女性教師、と聞けば、清楚とか真面目そうとかいう先入観を持ちがちである。が、りえちゃんは、素晴らしくその定型を裏切ってくれちゃっている。
 私的には応援したくなるような人。
 だが、私の価値観はおかしいので、当然、一般的には保護者受けは良くない。
 
 「変わった先生よね」

 で、何もかも台無しなのである。
 しかし、音楽狂いの我が息子が、英語のスピーチの時間に
 「将来はロック・ミュージシャンになって、世界ツアーをしてみせる」
 と語ったら、感動した彼女、突然、正体を明かした。
 実は彼女は、ヘビメタ・マニアであった。 
 以来、ジューダス・プリーストだのマリリン・マンソンだのの名前が出まくり、さすがの息子もびっくり仰天。
 私は拍手喝采ですが。

 だって聞いて下さい、キリギリスのような顔の息子の担任は私に向かって
 「不良化の3Bをご存知ですか。バイト、バイク、バンドです」
 と真顔で説教したのですよ。
 私思わず手を挙げて
 「はい、私がバンドです」
 と言ってやろうかと思いました。

 ま、とにかく、りえちゃんは、息子たちが廊下で話してるところに通りかかり、わずかでも
「リンキンが」とか「レディオ・ヘッドがさぁ」
 あるいは、
 「ストラト...」
 などと聞こえると、すかさず乱入して、語りまくることと相成ったのです。
 素敵!

 そういえば、別の話ですが、先日息子の友だちに捜索願が出た。
 夜10時になっても、何の連絡もなく家に帰らない。
 一人息子さんの親御さんたち、誘拐かと真っ青になったのです。
 だが、その頃、彼はうちの息子と代々木のアシッド・マンのライブで、絶叫していたのでした。
 息子は気分が悪くなって最前列から撤退したそうですが、その友だち、しっかりMTVだかの中継に映り込んでました。
 その日ライブ聴きに行くこと、ちゃんと親に言ってあったそうですが、親は忘れちゃったんだって。
 捜索願が10時に出されたことについて、それが早いか遅いか、息子の友だちの間ではひとしきり議論があったようです。
 色々ある。

多幸症?

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 何だか幸せなんだわ、最近の私。

 ついにやにやしてしまう。

 何があったということでもないのだけれど、何だか嬉しい。

 楽しいこととか面白いことばかり思いついて、ひとりで2時間くらいぼーーっと妄想していることすらある。

 頭が変になったのかな?

 私に会ってみて、もし異常に見えたら、ご注意下さい。


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