過信厳禁かも!?

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夕べ、のんびりと小説でも読むべぇ、という気分になったので、自宅の本箱を漁り、奥の方に村上春樹著「東京奇譚」を発見して布団に入り、読み始めた。
かつて読んだものだからかなり覚えているだろうし、途中でつまらなくなって眠くなったら寝ちゃお、とか思いながら読み進む。
すると驚いたことに「あれ?これ読んだことあるの?ほんとに?」。
何と、全くと言って良いほど覚えていない。
5編ある短編のうち、かすかにシチュエーションに覚えがあるのが1編のみ。それも、ほとんどが記憶違い。

だんだん、どれほど覚えていないか、という方に興味が移り、我ながら全く初めてのものを読んでいる感じに感心しながら読了してしまった。

驚いた。
若い頃には、一度読んだ後、こんなに忘れているものなど無かった気がする。
だがしかし、こんなに忘れるのであれば、再読でも楽しめて、かなり本代が節約できるな、と無粋なことを考えたりした。

若い頃の記憶力は凄まじく、英語の歌でもするすると覚えたし、昔覚えたものは未だに忘れない。最近覚えた曲は、しばらく歌わないでいると忘れる。
年齢が行ってからの記憶は、定着し難いのだな。

そうか、そうだったのか。
この頃、余り腹が立たないと思っていたら、嫌なことも忘れているのか。
怒りも持続しないのか。
何となく、平板な心理状態に、変だなとは思っていたが、それきっと忘れているんだ。

さて、それら、私に忘れられたものってのは、どこに失せているのだろうか。
頭の中に「ブラックホール」みたいのがあって、そこにどんどこ吸い込まれているのだろうか。反転して出て来たら大変なことになるな。死んでも出ないで欲しいな。

とにかく、「私は記憶力が良くて、色々なことを覚えています」と過信するのは今日から止めよう。覚えていることをひけらかすのも止めよう。だって、その記憶も間違っているかも知れず。

高齢者の仲間入りをするというのは、こういうことなのだろうか。
比較的ショックはなく、逆に微笑ましい感じである。
他人ごとすぎる?

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このページは、kyokotadaが2013年4月 3日 18:02に書いたブログ記事です。

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