日記: 2010年11月アーカイブ

年末進行

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仕事は、万遍なく季節を問わずあるものだが、なぜだか年末になると混んでくる。
年末進行である。
ライター仕事の時も大変だった。
正月を1週間休むと予定して、その間の分を前倒しにするのである。

 年末進行にするつもりはなかった。
その気はなかったにも拘わらず、なぜか凄い進行になっている。
 年明けにリリースされる予定のものが3タイトル同時進行である。
プレスのラインを取るのも大変なら、進行管理はさらに大変である。

こういう時に限って、ボケをかましてくれるかわいらしい性格の人がいる。
思わず知らず、ものの言い方がきつくなる。
もちろん、私の周囲の人ですら、何が進行しているのか良く見えていないだろうから、一人で興奮したり、苛ついたりしても仕方がないのだ。

いつか、この慌ただしさが過ぎ、「しーーーん」とした新年の朝が来る。
それまで、がんばろ。


仕事をしているうちに友達になることはある。
しかし、音楽の世界では、はじめに友達になって、そこから仕事に発展することも多い。
とくに、若い頃、ミュージシャンになりたい、と理想を持って集まっていた仲間たちとは、後に、それぞれが社会的な立場を携えて再会し、再び音楽を仲立ちに仕事を作り出すことがある。

と、堅く描くと正しいことをしているかのようであるが、現実には、いい大人が昔やりたかったことをできる立場になって、好き勝手し始めている、というのが正しいところ。

知らないうちに、友達だった方々は、日本を代表する素晴らしいミュージシャンになっていて、記念すべきアルバムを作ってくれる

昨日は、金澤英明3枚目のアルバムで、石井彰、石若駿に、今話題沸騰の寺久保エレナがゲストで参加。
スタジオは、青ちゃんと呼んでいるイデア・サウンドの青野エンジニアが運び込んだアンプとヴィンテージ・マイクが満載である。
青野さんも知らない人と思っていたのだが、話してみたら昔から縁のある人で、夫や周囲の友達が何度も一緒にレコーディングしていたと判明した。

音楽界、とくに、メジャー近くなるとミュージシャンの世界はどんどん狭くなり、知り合いになった方からアルバムを頂く度に、その中にまた知り合いのクレジットを発見する。

友達と仕事ができる、というのは実に楽しい。
金銭面で迷惑を掛け合わないように心がけはするが、それでも、何だかとても楽しい。

若い頃、嫉妬や羨望に翻弄されて、酔っぱらったり、泣いたりした。
順風満帆なんて、あり得ない音楽家人生の中で、友達と一緒に仕事をする時間は本当に貴重だ。

ところどころで、濃く、薄く、一緒だったね、という感覚が、味わい深い。
そして、その中に登場する、驚嘆すべき若い才能。

時代は巡り、音楽は流れる。

今日は日曜日なのだが、メールチェックのために出勤した。
明日からレコーディングがあり、その詰めが残っている。

会社といっても、ほとんど個人事務所のようなものだから、家にいるときのような気分である。
というより、私にとっては、家にいるときの方が特別な感じである。
会社では、音楽をやっている。
レッスンとレコーディングが主である。
それに伴う様々な準備や経理などもやる。

ピアノを弾き、レッスンをし、音楽を聴き、関連書を読み、楽譜を作り、電話連絡をし、打合せをする。

家にいるときは、家事をし、趣味の絵を描く、時にはテレビを観る。
家にはパソコンを置かない。かつては、台所横にパソコンを置いて、煮炊きや子育てをしながら原稿を書いていた。子どもが転べば、原稿の途中で手をさしのべ、泣けば駆け寄り、けんかが始まれば怒鳴り、その集中や切り替えのしんどさにほとほと懲りた。
アニソン高らかに鳴り響くなかで、オペラやクラシック音楽の原稿を書いていた。
じつに、若いときにしかできない曲芸である。

仕事場を外に持つようになると、次第にそちらに出かけていることの方が多くなった。
子どもたちも大人になり、一人ずつ家を出て行ってしまう。
来年の四月には、ついに夫婦二人になる予定だ。

さて、家で何をしよう。
料理をしても、食べる人がいない。
他のみんなは、家で何をしているのだろう。

憧れの週休二日だったが、土日祭日を休むのは、私には多すぎるみたいだ。
今日のように、ブログを書きに出勤するとしようかな。



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