音楽: 2011年10月アーカイブ

Stevie Wonder 

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 毎朝、仕事場に着くと音楽を選ぶ。
この数週間はなぜか、スティーヴィー・ワンダーだ。

このところ、私にとってしんどいことが続いた。
眠りの浅い日があり、涙がにじむ時間がある。

大切な人やものが、あるいは私のルーツに関わるものが消失し、まさに人生何度目かの試練だ。
そんな時だから、スティーヴィーが聴きたくなるのかも知れない。

若い頃も、日々に行き暮れるとスティーヴィーを聴いていたようだ。
その頃は気づかなかったが、辛い時期にいつも傍らにあった。

私にとってのスティーヴィーは、「光」だ。
盲目の彼にとって「光」は、恐らくイメージでしかない。
けれど、私は彼の音楽に、どんなアーティストより力強い太陽の光を感じる。
明るさと力強さ、イノセントなセンティメント、そして絶対的な愛への憧憬。
多様多彩な音がたくさん、万華鏡のようにキラキラしている。
本当に美しいと思う。
それがいちいち、どこかで聴いたもののようでは全くなく、どの人の出す音も深くスティーヴィー・ワールドなのだ。
不思議なことだ。

人はいつも、ここにある現実ではなくて、少し先に、自分が辿り着きたい仮想の世界を設定し、あたかもそこに暮らしているかのような、あるいは近々そこで暮らすことになるかのような錯覚を抱きながら生きる。

ヴィジョンを持つとき、人は幸せを感じる。
向かう先が分かるとき、充実がある。
今がどんなに大変でも、大丈夫。
大切なのは、少し先に想定する今より少し素敵な世界。
それが希望なのだ。

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