エッセイ: 2005年11月アーカイブ

区切り

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 しばらく、雑談が書けなかった。

 コンサートが終わって、やや気が抜けていた10月11日、弟の光朝が急逝した。
 47歳だった。
 慌ただしい葬儀、多くの人の哀しみ、繰り返し襲う抑鬱とともに過ごす日々。
 語り尽くせないほどの様々な思い、表しようもない喪失感...。

 しばらく、その中でじっとしていなくてはならない。
 日常のことは、それなりに出来、人とも話せるが、あまりにも膨大な想いとこれまでの日々のことが、整理もつかないまま頭の回りを巡り続ける。

 バースディ・コンサートをする前、それが自分にとって、とても大きい区切りになると考えていた。

 何故だか分からない。

 しかし、それ以後、私はそれまでとは別のディメンションに入るような気分がしていた。
 それは、弟の死のことだったのだろうか。

 予感だとは思えないけれど。

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