高校生の頃に絵描きになりたい人たち何人かと友達だった。
私自身は絵が苦手だと思っていた。
どこかのびのび描けない子どもだった。
東京に来てから、沖縄出身のヤスジくんという絵描きと知り合った。
彼から、描いてみなよと勧められた。
私「絵は描かないよ」
ヤ「なんで」
私「下手だから」
ヤ「形で描こうとするからだよ、光の濃淡で描いてみ」
で、その言葉を信じてやってみて、何となく描けた気になった。
このアドバイスは、絵だけでなく色々なことに役立っている。
ひとつの方法を信じないこと。
あるいは、アプローチの視点を変えるということ。
できないと思い込んでいることには、その思い込みに至る原因がある。
的確、または適応性のあるサジェストを頂くと、目から鱗が落ちる。
それで、しばらくの間、面白く絵を描いていた。
苦手意識が少し減った。
今も時々、絵を描いている。
子供たちが中学高校で使った絵の具が残っていて、捨てるに忍びなかったので、スケッチブックだけ気に入ったものを買い込んで休みの日に描いてみる。
4冊目くらいに入ったが、見返すと、始めてからしばらくの頃のが一番良い。
楽しい気持ちが溢れている。
それらの絵をライブのフライヤーやブログのバナーに使っている。
最近のは、少し低迷気味。
デザインする人に気を使っているためかと思う。
素人なんだから気を使う、なんてのは馬鹿げているけれど。
そのほんの少しの躊躇が、すぐ画面に出るということが驚きだ。
表現というものは、自分に素直でないと、すぐ行き詰まるんだな。
生物としての自分は、だから、もっと自分の身体のことや感情についても詳しくなるべきなんだろう。快不快や、元気かどうか、など。
絵を描いていると、知識も無く、技術も下手なために、気づかされることが色々ある。初心者であって、不自由である、ということが大切なのだ。
子どもみたいな気持ちで、ただ楽しみのためだけに取り組むこと。
それが大事。
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