歌うこととライフスタイルの関係

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子どもの頃から歌が上手いと言われていて、本人その気になって隙あらば弾き語っていた。
まだ、カラオケなんて無かったので、自己流のギターや下手なピアノで。

高校では兄のお友達に拉致されて混声合唱団に。
お陰で、出なかった高い声も獲得。
高校のクラスの後ろの席にいたピアノのうまい男子が、ジャズのアルバムを持参してきて、一緒にやりたいというので、文化祭で丸コピーして歌った。
それでずいぶん誉められたので、大学でジャズ研に入り、そこで多数の才能に出会い、すぐにジャズクラブで歌い出し、色々なバンドを掛け持ちして忙しく、図々しくも先生までやった。忙しすぎた20代前半。
けれど、何となく「これで良い」と確信できなかった。
それは、音楽に対する気持ちというよりも、私の人生に関することで、私にはどうしても、全く警戒無く心を通わせ合える家族が必要なようだった。
それで歌を止めて子どもを育てた。
大変だったけれど、自分にとっては正しい選択だったと思う。

20年、音楽を休んでからまた歌い始めた。
本も書き、先生もやって、今ではレーベルも運営している。
やっぱり私には音楽だったのかな。

ジャズボーカルというジャンルがあり、そのためのお店がたくさんある。
けれど、私の足は、なかなかそちらには向かない。
何より、お店に出るために、集客するのが億劫だ。
歌を始めた頃は、どこで歌おうが、お店に付いているお客さんがたくさんいて、歌手やバンドが集客するなんて考えたこともなかった。
今は、出演者が責任を持って集客しなくてはならない。

そこまでして人前で歌いたいかというと、そうでもないみたいなのだ。
その辺は、自分でも決定できない感じはするが。
大ステージで、歓声に包まれて「イェーイ」とかは、全くもって願ってもいない。
だって、そんな体力気力の要るステージをこなすには、ブランクなんて作っちゃいけなかったのだし。

音楽の性質上、数人のお客さんの時でも、とても充実できる。
本当に好きで、聴き入ってくれる人たちだと、こちらも集中してとても良い演奏になる。
付き合いで仕方なく来て、演奏中に話し込んだりされると、ちょっと困る。
だから、本当に聴きたいと思って来てくれる人が増えていれると良いな、と虫のいいことを考える。

毎日、たくさんの知り合いに、告知やお誘いのメールを出したり、電話をしたり。
知り合いを増やすために付き合いを広げたり。
それは私にはできないな。
その時間があるのなら、私はずっと音楽を勉強したり、本を読んだり、ピアノを弾いたりしていたいのだ。
1人でいくらでも遊んでいられる。
つまり、相当なオタクなんだよね。

そんな風にしていても、いつの間にやら歌はいい感じに育って来ている。
だから、腰を上げて、一ヶ月に一度はライブをするようにと考えている。
それくらいが私の性質には、ちょうどいいみたい。
歌が好きと、ライブをするのとは、私の中ではあんまりイコールじゃないみたい。
無理せずとも歌は、逃げて行かないのだよ。

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このページは、kyokotadaが2013年5月 2日 14:19に書いたブログ記事です。

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