ジム・ホール

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音楽以外にお金を使わない私を見かねて、息子が初ボーナスで、大画面のプラズマテレビを買ってくれた。これまでは隅々が変色してしまったブラウン管。
現代的なテレビは凄い、でかい、クリア。
で、早速数10年も昔から録り溜めしていたジャズ番組を見始めた。
夫は録画マニアなのである。

大昔に、NHKで放映されていたと覚しきジャズライブの番組では、ナレーターがいソノてルオさん。
この方は、ジャズ評論家で、昔MJQのコンサートの司会などもされており、裏からこっそりホールに入れて頂いたことがありました。懐かしや。

さて、ビデオは20年前のNY、老舗ライブハウスの実況的なもの。
最新の画面で見ると、カーメン・マクレエにはひげがあることが判明。
録画はビデオなので、画質はそう良くないのですが、私たちのアイドル的なミュージシャンが若く、最高に優れていた時代のライブは貴重です。

あれこれ見ていたら、ジム・ホール、ミシェル・ペトルチアーノ、ウエイン・ショーター、というのが出てきた。全体的には、ほとんどがジムとペトルチアーノのデュオで、お終いちかくにショーター登場。
このジム・ホール様が凄かった。
顔はゴルバチョフに似ている。
しかし、ずっと同じ表情。同じ姿勢。
この生半可で無いクールさの価値は、若い頃にはなかなか理解できないものだった。
はじめからずっと同じテンションで、ずっとハイ・クォリティな演奏をし続けている。
それは、わりと熱くなりやすいペトルチアーノの演奏に、ひたと寄り添いつつ、はぐらかしもしない代わり、煽りも、煽られもしないという神業のような境地。音はどれひとつも失敗がない。全部きれい、全部選び抜かれている。だから、ずーっとソロを聴いていて、一瞬も飽きない上にとても心地良い。
何となく不思議な体験だった。
ショーターは、今まで聴いたことが無い程のゴリゴリの4倍テン・フレーズを吹きまくっていたけれど、それでも、ジムのペースは変わらず、同じく美しくクール。

演奏にはその人の全てが出る、と良く言われる。
ジムは普段どんな人だったのだろうか。
私の想像力では追いつかない感じ。
もっと若い頃のお姿を探してみてみることにしようか。

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このページは、kyokotadaが2014年1月17日 12:57に書いたブログ記事です。

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