昨日から心がもの悲しい。
淋しい。
どうしたんだろう、と思いつつ、お天気かも知れないと考える。
からりと晴れて、心地よい日は、理由も無く幸福感が溢れて来る。
ああ、なんて素敵な我が人生。
昨日からどんよりと曇っていて、けれど一向、雨も降らないとなると、気持ちのやり場がない。元気も出ないし、幸福でもない。
若くして亡くなった人々のことを思い返したりする。
もしかして、私は単なるお天気次第な人かも知れない。
けれど、そう決めると、とても楽になる。
心の調子が、何によって決められているか、本当のところなど、分かったものではない。
でも確実に、元気な感じの時と曇った時では、読みたいもの聴きたいものも変わって来る。
曇りの日にやっと、絵本の素晴らしさを思い出したりする。
細々した字のたくさん詰まった理屈っぽい本などは、そういう時には読めない。
きれいな色の、少し悲しい部分もあるシンプルなお話が見たい。
それはそうと、このところ小説を読んで感心することが減ってしまった。
昔はいつもたいてい感心していたのだが。
それは私が歳をとって感性が昔臭くなってしまったからだろうか。
それとも、本の選び方が良くないのだろうか。
卒然として本を置き、しばし感慨に耽る、というような気持ちには、なかなかならなくなっている。
書き手の経験するものが、私とは違ってきたということもあるだろうか。
お天気次第で、心の色がずいぶん違う。
曇りのはっきりしない日の「あーーあ」という地色は、生涯変わらないのかも知れない。
今はただ、無垢なお日様の登場を待つばかりだ。
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