ヤンキーか否か

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斉藤環さんという精神科医の先生が、日本人のマジョリティは「ヤンキー性」にある、と論じている。ヤンキーとは、ひと言で言うと「不良」みたいなことだけど、日本に特有な不良性というか...。

一番分かりやすいのは、YAZAWAとかExileみたいな人たちだね。
でも、論によると、X Japanもジャニーズもモーニング娘。もヤンキーなのよ。
私なりの理解で言えば、親分がいて、なにがしかの頑張るポリシーみたいなものが有り、その舎弟が階層を成して大勢集まっている、という感じかな。

ロックの人なんかは、この範囲の人たちが多いな。
ハウンド・ドッグも、ビーズも、グレイも、そんな感じ。
ラルクはちょっと別な感じだけど。

「〜組」とか「〜軍団」と称する人たちは、全部そうでしょ。
親分と侠客、子分や舎弟。
そういうの、日本人は好きみたいなのよ。

で、私はすごく苦手。
またしても、この前のつるむのが苦手な話に近いけど、このヤンキー論を読んですごく納得した。ジャズの人たちは、ぜんぜん違うの。親分とか要らない人が多いし、どこに所属するとかではなく、自分はどのテイストが好きかとか、音楽の力がとにかく最優先とかなのだ。
だから、集団になれない。ジャズはだからいつも、マイノリティーっぽい。

おまけに、こと「音楽」という芸術の世界として見れば、ジャズは様々なものを含んで成立する上位概念的なジャンルだ。だから、ポピュラリティを得るのは二重の意味で難しい。

ジャズが世に広まった時代は、ちょうどレコードが発売になった時期だった。SP盤と手回しの蓄音機。それで、ブラックの皆さんをターゲットにした、レイス・レコードと呼ばれる盤が大量に流通した。ジャズは録音という発明とともに世界に定着する。

テレビが出てからは、ビートルズやストーンズが定着。
さらに、プロモーションビデオができて、マイケルやマドンナ。
現在は、ITを駆使するアーティストが生まれているのだろう。
アイスランドの音楽が大人気になったりして。

日本のヤンキーミュージシャンは、「武道館」という到達点を設定したところから、さらに確かなテイストを担って定着し始めた。
武道館って、すごい場所だよね。だって「武道」だよ。
そこでボブ・デイランはじめたくさんのコンサートを見たけれど、「ナイトメア」がやっていた「仙台貨物」のコンサートが良かった。揃いの赤いつなぎを着たアリーナの全員が、一斉に赤いタオルを振り回した時、その光景見て大感動。掛け値なくとってもきれいなんだもん。
ああいった、みんな揃ってワーッとやる、しかも日本だから武道館、というのが、ライブハウスやホールには無い、何とも言えない民族臭を立ちのぼらせる。キッチュかな。でも、ダサイ点に対しては近親憎悪的感情も湧く。

ヤンキーの力は素晴らしいと思う。
あの集客力、動員力。
しかし、私はその中に入り込めない。
居心地が良くない。
みんなで一斉にやることに重点が置けない。
親分を担ぐことに、命が懸からない。

あ、「たけし軍団」というのもあるね。
あれは完全にヤンキーだね。
でも、タモリはヤンキーじゃないよね。
そもそもが、早稲田のジャズ研だし。

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このページは、kyokotadaが2013年7月 4日 13:00に書いたブログ記事です。

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