道で転んだ

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サムタイム同窓会ライブも無事終わり、「胃が痛かったなぁ」と思いつつ、翌日のレッスンなどこなして帰り道、食欲がわかないのでうどんを目指して歩いていた。
足首がくねっとなり、立て直そうとしたがいっそうバランスが崩れ、ドタッと転んだ。
右手のひらと、膝をすりむき、膝の方は痣も。
何年ぶりに転んだなぁ。
そば屋のおしぼりで滲んだ血を押さえた。痛みはほとんどない。
大過なくほっと一安心。
それにしても、さほど緊張したわけでもないのだが、ずっと身体に負担感がある。

次の火曜日は、休みを入れていたので家でゆっくり養生した。

吉祥寺サムタイム同窓会には、かつてのバンド仲間が大勢集った。
このライブハウスが始業した当時のメンバーだ。
みんなよくぞ生き残って音楽を、しかもジャズを続けているね、と肩をたたき合う。

ボーカルのデコと私が参加していたボブ&シンガーズというグループ、当夜のメンバーである佐山がリーダーで、続木徹ちゃんもメンバーだった。これに、もう1人のコーラスとして参加していたMちゃんがライブを聴きに来てくれた。
当時は私たち花の20代。
Mちゃんは小柄でかわいらしくて、男性陣にモテモテだった。
休憩時間、みんなでMちゃんを囲んでそんな話に花を咲かせ、彼女もご機嫌で楽しいを連発してくれ、やがて手を振って別れた。
また会おうね、と言って。

訃報が届いたのは、水曜の午前。
ライブの帰り、Mちゃんは同伴していた友人と午前2時頃まで飲んで別れたらしい。
家に帰って寝てすぐ、午前4時頃に心筋梗塞が起きたようだという。

会ったのは何年ぶり。
そしてバンド仲間と一緒に楽しい話をしたのはもっと何十年ぶり。
その日のうちに、逝ってしまった。
本当だろうか、そのつい数時間前まで元気そうな笑顔を見ていたのに。
本当だろうか。

葬儀は終わり、もう、二度と会うことはできない。
逆境といえる人生だったけれど、素敵な歌声の可愛い女性だった。
心からご冥福を祈りたい。
そして、転んだのは、危急を知らせたい彼女の気持ちだったかも、と少しこじつけてみる。
忘れないよ、絶対。

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このページは、kyokotadaが2013年10月 3日 14:45に書いたブログ記事です。

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