枠をはずす

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歌を教えていると、自分もどんどん変わっていることが分かる。
一貫して熱心に分かっていることを伝えようとするのだが、こちらの進歩もあるので、数年前と現在とでは中身が変わっていると思う。
練習することと、本番を経験することで、進歩と呼びたい現象が起こってくる。
「進歩」というものには、言葉ではなかなか説明できない不思議な感覚が伴う。
何かをつかんだり、発見した後は、それ以前の自分のことをすっかり忘れてしまうようだ。
まるで、ずっと以前からそのことを知っていて実践していたかのような気になる。
けれど、頭のどこかでは、そして身体の各部分では、変わっていることを感じている。

変わる時に一番大切なのは、前言を気にしない、ということだ。
かつての枠にこだわると、そこに引きずられる。
以前の身体ではこう動いていたが、現在は別の動きをしている、と分かると、以前の説明は捨てざるを得ない。
けれど、その頃の説明は、私のその時の体感では正解だったはずなので、別のアイディア、別枠の動き方を発見して、新たに試している様なことなのかも知れない。
それは、瞬間的な間の使い方だったり、身体の中の反応の仕方であったりする。
そのための構えであったり、身体の動きであったりする。

枠を外すために、最近は数日何もせずに、あるいは音楽と関係ないことだけをしている。
日々、休み無く音楽のことだけを続けていると、どうしても身も心もルーティンになる。
上達するには良いけれど、いかんせんアイディアが狭くなる。
一日二日、何もせずに弛めて、自発的な感覚が出てくるのを待つと、不思議と枠が取れてくる。
あ、これはこうすればいいのではないか、と思いつく。

それとは別に、枠を外してくれる人に出会いたいとも思う。
それがこのところなかなか難しくなっている。
むむ。

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このページは、kyokotadaが2014年5月 7日 14:13に書いたブログ記事です。

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