欲張ったり、感謝したり

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もっと納得のいく音楽をしたいと、いつもいつも欲張っている気がする。
良い曲はないか、と探しているし、もし見つかればどうアレンジしようかと考える。
オリジナルの曲が浮かぶ瞬間を逃がしたくない、と自分に対して耳を澄ます。
座っていれば、アイディアを探す。
歩いていれば、歌詞を覚える。
そしてわりといつも、「これではまだまだ足りない」と焦れてもいる。

もう、還暦も過ぎたのに、である。
時々、自分に向かって、「もう充分じゃないの」と言ってやりたくなる。
素晴らしい人々と共演して、制作もして。
素敵な生徒さんたちにも恵まれて、たまには原稿も書いて...。
もう、感謝しながらマイペースで良いんじゃないの、と言い聞かせようとする。

でも、まだ何らか進歩したり、挑戦したりしたいようだ。
ひょっとすると、その欲があるうちは、歌っていても良いのかな、と感じる。
歌う場所はどこでも、許して貰えるなら、どこでもいい。

歌っていないとどうかなってしまう、というタイプではないけれど、表現は生命の源だ、とは思う。
ライブの前はいつもナーバスだけれど、楽をするばかりが幸福ではない、とも思う。
難しい局面に自分を追いやって、辟易して、でも予想を超えて掴むものがある。
癒やされることは少ないけれど、満足は感じている。
欲張って、追われて、落胆して、でも、いつの間にか感謝もして。
私の音楽人生は続いている。



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このページは、kyokotadaが2016年2月 8日 15:27に書いたブログ記事です。

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