プロデューサー...なの?

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この間、いつも出演させて頂いているお店のマスターが、わたしのことを「敏腕プロデューサー」とかブログに書いていて、「へー、そう思われていたのか?」と、ずいぶん驚いた。

そういえば、知らぬ間に、うちのレーベルから出たCDが20数枚に達している。
私がしていることは、「こんなアルバムが出したい」と力説するミュージシャンと、さらに相談して実現することだ。
時には、そのアイディアに私の妄想を上乗せして頂くこともある。
だって、色々思いついちゃうんだもの。

今回、初めて私の歌の弟子がアルバムを作った。
選曲からアレンジまで口を出し、バックを勤めるミュージシャンも身内で固めた。
彼女の歌は、この数年続けてきたワークショップ参加とライブ観戦でずいぶん変わり、何より、大変な工夫と努力、ぶつかり稽古的なライブ活動で飛躍的に進化している。
レコーディング中は、そんなあれこれの相乗効果で、参加メンバー一同大変盛り上がった。

マスターのブログによる「敏腕プロデューサー」は、実際のところ「細腕プロデューサー」で(私の腕は太いが)、毎月を越すのに色々苦労してはいる。つまり経営的には素人なのだが、レコーディングやミックスの現場では、なかなか悪くない存在だと感じられてきた。
それは、スタジオを作って以来、この数年間の蓄積と、それ以前から数十年にわたる音楽生活とが上手く噛み合ったところで醸し出される「趣味趣向」だったり「経験値」だったりするわけだ。偶然や成り行きが先行した感はある。それでも、一作ごとにやりたいことも、作り込みたいことも明確になっている。

CDはどこまで行ってもミュージシャンのものだと思っている。日々、「これでもかっ!!」というくらいに全力でライブをこなし、その都度、舞い上がったり落ち込んだり、考えたり、喜んだり、時には怒ったりの過程から形作られる音楽の創造物。
ただ、消えていくばかりのライブ活動を、ある時点で余すところなく、できればライブの内容を上回って残していけたら、これほどやりがいのある仕事はまたとない。

今、レギュラーとして関わって下さっているミュージシャンは、いずれも努力家で、粘り強く、しかも才能に溢れている。だから、真剣な録音現場に立ち会うことで、歌手としての私の滋養になる要素は限りなく多い。
加えて、大好きなアートディレクションにも関わるので、その楽しさは実に他では得がたいものだ。

プロデューサーという肩書きに、少し気後れしていた時期もあったけれど、最近はこれらの仕事がとても好きになり、それほど悪くない人材なのかも、と思える瞬間も現れてきた。
外ならぬマスターに言って頂いて、それが自分を見直すきっかけになったのかも知れない。
頂ける機会は心から大切に。
がんばろ...。

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このページは、kyokotadaが2016年6月24日 15:19に書いたブログ記事です。

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