次女が結婚式をハワイでするというので、家族揃って行ってきた。
ハワイは3回目。
1回目も2回目も、さして感動しなかったが、今回はとても良い旅行になった。
まずもって娘たちの頑張り。
リゾ婚業者を当たりに当たり、ドレス業者を当たりに当たり、完璧なお膳立て。
お相手のご家族も、つかず離れずの勝手気まま行動。
そして、何より、息子の英語力でほとんどの行動計画がスムーズに。
初日こそフライト疲れで午後数時間寝てしまったが、他の時間は余裕に楽しい3日間だった。
結婚式は、泊まっていたホテルのあるワイキキから1時間ほど西に走った、パールハーバーの先の海岸。小さな教会風の式場で、穏やかそうな牧師様と生ギター2本にメゾソプラノのバンド。
パッヘルベルのカノンが厳かに流れ、その後グノーのアベマリアが歌われる。
いずれも素晴らしい演奏で、感動的だった。
その後、プライベートビーチで記念撮影。
この場所に行くまでの運転手イトウさんが、素晴らしかった。
「着くまで1時間でーす」
と聞いて、うっかり、「じゃ、寝よう」と答えたらば、
「いけませーーん、元気出して下さい、日本人すぐ寝る、疲れたという、いけませーーん」
そして、ハワイでは汗が蒸発するので脱水になりがちだから、水をいっぱい飲むと良い、と教えてくれた。
イトウさんによると、疲れるのも眠いのも脱水のせいだとか。
確かに、気をつけて水分を取ったら元気が出たような。
道すがら、運転しながら、ハワイの植物の説明、高速沿道にある建物や公園の説明、脇を走っている車や道路の説明、ハワイに於ける運転免許のとり方や車検の話、ハワイの家庭に植わっているマンゴーの話などなど、眠っていられないほど楽しい。
お陰で随分ハワイに詳しくなった気分。
式の次の日は、マラウイという街と海岸のツアーを申し込んだ。
小さい街は人気の石鹸店などがあり、最近できたホールフーズマーケットが話題。
何しろ、巨大な食品スーパーで、見るだけでお腹がいっぱいになる。
その街の海岸が、美しい砂浜。
しばし海水浴を楽しんで、ワイキキに帰還。
夜は、タイ料理店に行ってみた。
この店が大当たり。
4人でお腹いっぱい食べて飲んで¥6000くらい。
アイスティー飲み放題。
量もアジアサイズで野菜たっぷり。
しかも、クーポンが使えた。
それまで、ハンバーガーやステーキの巨大さにやられていた私たち、顔を見合わせて
「食はアジアだ」
と言い合った。
ハワイにいる間、携帯も鳴らないし、ネットも見ず、仕事のことは考えいているようないないような。
ただ、眠くなれば寝て、お腹が空かなければ食事はパス。
みんな勝手に出かけたり、一緒に何かしたり、じつにバランス良く過ごせた。
帰ってきたら、すごく元気になっていた。
私の中味は、気づかないうちに色々要らないものをハワイに落としてきたようだ。
それには、イトウさんの「元気出して下さーーい」が効いているかも知れない。
「ネガティブなこと言わないの、ハワイに来たら遊ぶの。元気出してね、いっぱい遊んで下さい」
アメリカから、日本から、中国や韓国から、たくさんの人が来て海に歓声を上げ、夜景を楽しむ。
ABCストアで、どうでもいいようなお土産を袋いっぱい買う。
そして、やっぱり自分の国が居心地良く感じたりもする。
ハワイにいる間は、なんで日本みたいな場所であんなにあくせく働いているんだろう、と感じたりもするのだが、ハワイの人たちもそれなりに観光産業に従事して忙しく働いているんだ、ということが見えてきたりもする。
ハワイは遊びに行って、何かを落としてくる場所なんだ。
帰ってきて、ああ、楽になっている、と思うのが良いのかも知れない。
きれいな海も、青い空も、そこに行って見てくれば、しばらくは心の中に隙間を作ってくれる。
隙間は大切だね。
日没と夜景を見に上った丘の上で。夕暮れの空。