Jazz Vocal Cafe Vol.26

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今月は、ロングトーンを用いて、共鳴の感じ方を丁寧にやってみました。
ボイストレーニングは、教えれば教えるほど、奥深く、どう導くのが良いのか、理解を超えて不思議な感覚を掻き立てられる分野です。

ひとりひとりが「発声器官」という共通の機能を持ちながら、それぞれ大変に異なった声を持っています。
器官の使い方、感じ方、それらに対して抱く感覚を、視覚的に見て取れないだけに、じっと耳を傾けながら耳で感じ取り、アドバイスしていくしかありません。

基本となるのは呼吸器の認識。
単に息を吸い、溜めて、吐く、という動作の中に、沢山の方法や訓練の仕方が埋まっています。

ロングトーンは、これら呼吸の方法を感じながら発声を確認する良い手段です。
息を吸う時は、身体が柔らかく外側に膨らんで行くよう構えます。
背筋は上に向け、横隔膜を精一杯下げながら、鎖骨を開いていきます。
身体が吸った息の量に沿って「徐々に」開いていくことが大切です。
身体自体と、吸い込んだ息の量とで形成される伸縮性のある器官。
これを徐々に狭めていきます。
ただし、この時に頭骨の内側と鼻腔、鼻孔は開いたままです。

身体を狭める方法として、最近私がよく使う表現が「おへそを上げ下げする」です。
拡がっている時に下向きだったへそが、息が出て行くに従って、上を向いて行きます。
身体の感じ方は、外側へと向かう力と、それをゆっくり、コンスタントに狭める力。
ただし、解放を固定する部分だけは、常に広く保つこと。

この訓練だけでも、時には喉にかかっていた音程が解放され、クリアに響くようになります。
音程には、各自の声帯や骨格によって、チェンジしずらい、出にくいポイントが必ずあります。
地声からミックス、裏へと声質を変えていく変節点では、身体の状態をコントロールする方法でスムーズな移行が叶えられます。

発声のギア・チェンジは、低音域〜中音域〜高音域〜最高音域と3回あります。
チェンジの祭に動かす発声器官、身体の各部分を認識できることが大切です。
主には、胸、腹、背骨、背筋、腹筋、肩、鼻腔、口腔、顔、の状態を知ることです。

曲練習では、「Tea For Two」を最後まで歌ってみました。
曲の構成を理解しながら、それぞれの部分のもつキャラクターを知り、表現に役立てることができます。こうして歌ってみると、1コーラスはあっという間で、もっと沢山のアイディアを使うためには、数コーラスが必要だということが分かってきます。
ネタ切れになってしまう曲では、原曲の部分ごとのキャラクターを掘り下げることでほとんどの問題が解消する、という訳です。
つまり、インプロヴィゼーションやフェイクとは、汲めども尽きぬ表現のアイディアを、次々と繰り出すことなのですね。

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このブログ記事について

このページは、kyokotadaが2014年5月27日 17:00に書いたブログ記事です。

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