ケーブルテレビの、映画やドラマのチャンネルをつけていると、番組の合間はほとんど、痩せるための物品か健康食品のCMばかり。
テレビショッピングは色々な便利グッズとか日用品なども売る場だと思うのだが、そういうものはほとんどなくて、飲めば痩せるとか、健康を取り戻したという食べ物、飲み物。
他には、一日10分くらいやると確実に痩せるという機械。
痩せた方が良いのだろうか。
確かに、生活習慣病など、体重を落とすだけでリスクが大幅に減るそうなので、健康のためには痩せた方が良いのでしょう。
けれど、50代以上とおぼしき女性が、スリムで背筋もピッと伸びていたりすると、私はちょっと引いてしまう。ジーンズなどを格好良くはいて、丈の短いジャケットで、眉尻がピッと上がり、サングラスを頭の上などに載せ、颯爽と早歩きしているようなタイプが苦手である。
テレビのそれら、若さを保つのに一役買う食品のコマーシャルに出て、年齢によらず、口調の強い、意志の強い、頑張るような女性が苦手である。
男性は、まぁ、100歳でマラソンを走っていようが、「好きにしていいよ」と感じるのだが、女性がきりりとしていると、「友達でなくて良かった」と感じてしまう。
どう言うか、そのようなタイプの方々には、PTAとか地域活動でたっぷりお目にかかり、叱咤され、説教されたことがあるらしいのだ。らしい、といかにも曖昧で無責任な言い方をするのも、それほど「あー、ヤだ」と思っていたからで、その内容を全く覚えていない。同性同士って、どうしても競争心とかが湧くらしいよね。なので、私は、子育て中にも、地域でも色々役を仰せつかった時も、先輩の自信家的女性たちからはたっぷり圧迫された。
男性同士もなかなかすごかった。役人上がりの方と民間上がりの方とで灰皿を投げ合う喧嘩とか見てしまった。私より年下の世代の方はそんな身もふたもないことはなさらないとは思うが、それでも、別の形での圧迫はありそう。
そうそう、痩せないといけないのだろうか、という件。
知人の中には、趣味のようにダイエットを繰り返す方々がいる。
どちらかというと美醜を気にするというよりは、努力の成果を数字とかで見ることや、ストイックに自分を追い詰めるのが好き、という様に見える。
私はそういうのがいちばん苦手だ。
辛いならやんなくていいや。
と、わりと抵抗なく決定してしまう。
辛いほどやっても仕方ないと思う。
楽しくやればいい。
趣味なんかだと、人生長いので、たまに歌ったり、たまに絵を描いたり、たまに文章を書いたりしていても、まだたっぷり余暇がある。
料理などは、デレビのコマーシャルの合間合間にやるし、風呂に入っている間に煮炊きしてたり、掃除機も、コマーシャルの合間だけちゃっちゃとかけるとか、取り組んでる感を減衰させる努力をする。
義務的な仕事は、何となく、いつの間にか終わっていると思うようにしている。
食器洗いなんかも、ストップウォッチ押してやると、じつは5分くらいで終わってるよね。
絵を描くときは、始めると意外に疲れが溜まっていると分かる日もあり、そういう日は軽くスケッチ一枚で止める。
あ、痩せないといけないのかという件。
で、私は他人から、頑張ってキリキリしていると見られるのを好まない。
ぼーっとしていて、適当で、当てにならない感を醸し出すのが希望だ。
だから、適度にぽっちゃりしていて、うふふ、と笑っていて、時々何か企んでいて、嘘ついたりもする人に私はなりたい。