音楽: 2013年5月アーカイブ

ミュージャンの皆様が、八代亜紀さんのニューヨークジャズライブについて色々言っている。
ヘレン・メリルをゲストに迎えての様子が、テレビで放映されたらしい。
私は見ていないが、見た人の感想は「恥ずかしかった」である。
ひとつには、歌がジャズになっていないこと。
別のことでは、MCや佇まいが世界基準でないこと、らしい。
日本にいる時と同様に、「てへペロ」をやってしまったようだ。
ある世代の人々は、女性の価値基準ということを「可愛げ、どちらかと言えば無知、意味なく愛嬌が良い、偉ぶらない」などに置いている。
そういう国内向け「受け人格」を丸出しにしたらしい。
見ていないから想像でしかないが。

そして、ジャズ、である。
ミュージシャンならジャズは一朝一夕には歌えないでしょ、と分かっている。
リズムも英語も発声も、なぞる程度でジャズと言われてもねぇ、である。
ジャズは「楽曲のジャンルのこと」ではないから。
しばしば取り上げられる楽曲は「スタンダード」と呼ばれているだけで、米国ではポピュラーに於ける「クラシック」と呼んでいる。
当然、日々新しいものはいくらでも生まれており、いつもジャズという観念のクリエィションが試みられている。

しかし、ジャズ歌うのが流行っているのかもしれない。
とりあえずスタンタードで、自由にアレンジしたりフェイクしたりするのは楽しい。
カラオケじゃつまらない、と思う人たちにはとても良い。
だからと言って、プロの別ジャンルの歌手が軽くやっちゃいけないと思う。
数ヶ月の練習ではジャズはできない。
私はたまにしかライブをやらないけれど、それでも結構命懸けという気がしている。
時間がかかる、たくさん練習する、ピアノや理論のことも勉強する、英語も勉強する。
本当に歌うとなると、クラシックくらい大変なのだ。

専門的なことなので、一般にその内実をアピールできないのが辛い。
曲を覚えて歌うところから、楽曲として消化する過程、そして内面化するまで、その違いをアピールするのはなかなか大変。
そのアピールをやる人がいなかったから、お手軽に「ジャズ歌います」という人が注目されてしまったりするのだろう。
どうやったら伝えることができるのかな。
ジャズ音楽の自己アピール。
やらないとまずいな。

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